任意保険に加入する際に間違いなく付帯する基本となるのが対人賠償保険です。対人賠償は書いて字のごとく、人に対して賠償してくれる保険です。
もう少し具体的に書くと、他人を死傷させたことにより損賠賠償責任を負った場合に補償してくれる保険です。保険金額は無制限(※)であることが一般的です。
(※)かつての自動車保険では、人が死傷した場合、また何人が被害者になるのか判らないためリスクが高いとして、1事故の保険金額に制限がありました。
しかし、これでは補償を受けられない被害者が出てくることもあったため、再保険を利用することで無制限支払いが導入されることとなりました。
任意保険で契約している車の所有、使用または管理が原因により他人を負傷もしくは死亡させてしまい、法律上の賠償責任を負う場合負担します。
支払うのはまず自賠責保険から支払い(死亡の場合3,000万、ケガの場合120万、後遺障害の場合4,000万)、対人賠償は自賠責を超過した部分に対して保険金を支払います。
なお、対人賠償が支払われないケースが約款には記載されているものです。いくつかを抜粋してみたいと思います。
・契約者または被保険者の故意により生じた事故による損害
⇒わざと人をはねた場合、そのような事故には保険は支払われません。
・ 戦争、外国の武力行使、革命、反乱、紛争、核燃料、放射能等によって生じた損害
⇒自動車理由の通常の想定ではなく、被害も甚大となるため支払われません。
・レース・ラリー等の競技・曲技、試験に使用すること、または、これらを行うことを目的とする場所において使用することによって生じた損害
⇒これも前述のとおり自動車の通常の使用方法ではなく、リスクが高いため保険は支払われません。
・記名被保険者、運転者またはその父母・配偶者・子、被保険者の父母・配偶者・子、被保険者の業務に従事中の使用人に対する損害賠償
⇒ここが一番のポイントなのですが、これはひとえにモラルリスクに対するものです。記名被保険者が自分の奥さんをひいた場合、保険金搾取事故となりますよね。このため、対人賠償では上記範囲の人をひいた場合、支払わないとしているのです。
少しはためになりましたでしょうか?引き続きよろしくお願いいたします。